抄録
多項目入力に対する多項目出力を行う診断ロジックを,非線形多変量解析を用いて構築し,小児股関節X線画像の診断に応用した。小児股関節診断システムは,X線画像から得られる外側方移動率,上方移動率,OE角,α角を入力とし,股関節脱臼,臼蓋形成不全,正常の診断結果を出力と考え,帰属確率関数を導入し,2項目ごとの相乗効果とMin-Max判定により診断を行った。小児股関節のX線画像110症例を対象とし,このデータをシステム構築用と,システム検証用の2グループに分けた。システム構築用データで開発した診断システムに,検証用データを適用した結果,整形外科医師の確定診断と92.9%が一致した。小児股関節診断において,開発した診断システムの有用性が示唆された。