CMOSイメージセンサの埋め込みフォトダイオードを用いて、蛍光寿命イメージセンサを実現する画素構造及び、これによって達成される時間分解能について考察する。埋め込みフォトダイオードを用いた2段転送方式の試作の結果では、約160psの時間分解能を得ている。しかし、この方法では、高時間分解能と極微弱信号の検出に必要なポテンシャルバリアレスの構造を安定に実現する上で困難さがある。また、Si-SiO_2界面に信号電子が接触するため、界面トラップへの捕獲による転送遅延が発生する。これを解決するため、転送ゲートをなくし、電荷排出ゲートだけで制御するDOM(Draining Only Modulation)方式を提案している。また、10ピコ秒未満の時間分解能を実現するための条件についても考察している。