抄録
画像の解像度をソフトウェア面から向上させる超解像技術の中で,複数枚の低解像度画像を用いて一枚の高解像度画像を生成するマルチフレーム手法があるが,この手法では大きな回転を含む画像群を使用することは困難であった.しかし,リモート・センシングなどの分野において回転を含む画像は多く存在している.この問題点を改善するべく,我々は位置合わせ手法の一つである回転不変位相限定相関法によって得られた回転パラメータに対して勾配法を用いることで高精度な推定を可能にし,高解像度化を図る手法を提案する.本論文では,提案法に反復逆投影法を加えることで,より鮮明な画像を生成し,補間拡大画像との比較から提案手法の有用性を検証する.