抄録
エピジェネティクスとは,細胞が分裂する際に,同一のDNAを持つにもかかわらず分裂後の性質は互いに異なるという性質を研究する生物学の分野である.このメカニズムの解析には,顕微鏡で撮影された細胞の時系列画像上で,分裂する細胞を何世代にも渡って追跡特定するとともに,各細胞画像の蛍光特性を分析する処理が必要となる.本稿では,この処理を自動化すると共に精度を改善する手法について検討した.実画像に対する実験の結果,手動による修正処理を併用することにより,実用的な精度の下での処理が実現できる見通しが得られた.