抄録
液相合成法により作製したY_3Al_5O_<12>:Ce(YAG:Ce)蛍光体に関し、各過程(前駆体→大気焼成→還元焼成)におけるCeの状態をX-ray Absorption Fine Structure(XAFS)測定により解析した。その結果、前駆体中でCeは3価として存在するのに対し、大気中で焼成すると酸化されて4価となり、中間生成物であるY化合物から分離してアモルファス状態で存在していることが確認された。一方Euは大気中で焼成してもYサイトに3価として安定に存在する。以上より、各合成・焼成過程において、発光中心が母体内に取り込まれるか否かは、発光中心元素の酸化還元の活性度に強く依存すると考えられる。