抄録
ディスプレイをはじめとした画像システムの最終的な目標は「きれいな」画像表現といえるが、従来のディスプレイは格子状の規則的な画素配置によって構成されるため斜め線のエッジ部分などに階段状のギザ(ジャギー)が生じ、表示される画像の美しさを損なう要因となりうる。著者らは、画像システムを構成する画素の中の発光領域の位置を擬似的に不規則な配置とすることでジャギーの低減を実現する手法について検討しているが、この配置のパラメータによって表示される画像の美しさが大きく変わり、その最適値は未検討である。本稿では、画素のパラメータとして発光領域の大きさ、発光領域のずれ量、拡散(光のもれ)具合の3つのパラメータに対して、被験者を用いた主観的評価実験により、画像の美しさとジャギーの知覚され具合の評価を行った。本稿ではこの結果を考慮し最適なパラメータについて考察する。