抄録
デジタルカメラは従来のカメラに装填するフィルムを撮像素子に置き換えたものであり,レンズが形成する像をそのまま撮像素子により電子化することが基本となっている.それに対しコンピュテーショナルフォトグラフィ(Computational Photography)では,光学系が形成する像はあくまで対象の情報の中間表現であると考え,その後の画像処理との組み合わせにより美しい像を出力しようとするものである.この自由度の付与によって新たな機能や性能をカメラに与えることが出来ると期待されている.本稿ではISSCC2012のフォーラム"Computational Imaging"における自身の講演の流れを再現する形式で,この技術について概観する.