映像情報メディア学会技術報告
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セッションID: HI2013-50/3DIT2013-1
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異なる視覚属性に対する注意の時空間応答特性を考慮した視覚探索モデル(視聴覚技術,ヒューマンインタフェースおよび一般)
矢野 勝也小濱 剛
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抄録
視線移動予測を行う代表的なモデルとしてItti&Kochの顕著性マップモデルがある(Itti&Koch, 2000).これは,初期視覚系の生理学的知見に基づき,色や傾きといった基本的な視覚属性の顕著性,すなわち目立ちやすさの分布を計算し,これに基づいて視線の移動先を予測するモデルである.顕著性マップ理論を用いて視線移動予測を行う際,算出された顕著性マップの勾配に基づいて決定論的に視線の移動先が定められるために,脈絡のある自然な視線移動の軌跡から乖離する.そこで本研究では,より実際的な視線移動を再現する数学的モデルの確立を目的として,視覚属性に対する注意の時空間応答特性や,網膜の錐体密度に由来するV1における皮質拡大を考慮して顕著性マップの拡張を行った.提案モデルの検証として,種々の探索課題におけるシミュレーションを行ない,探索効率と視線移動の軌跡の再現性を評価した結果,従来モデルよりも探索精度が向上することが明らかとなり,また視線移動の軌跡が脈絡を持ったものとなることが示された.
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© 2013 一般社団法人 映像情報メディア学会
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