抄録
現在,脳とコンピュータをつなげて人間の思考を読み取る技術Brain-Computer Interface (BCI)の研究が注目されている.先行研究では巨大な装置で測定を行うことや電極が多く装着に時間がかかってしまい,被験者に負担がかかってしまうことなどの問題があった.それらの問題を改善すべく丸山・菊池(2011)が2ch NIRSを用いての簡易型BCIの構築を目的に2種類刺激に対しての識別実験を行った.そこで本研究では丸山・菊池が行った実験にさらに2種類の刺激を追加した計4種類で実験を行い,2ch NIRSで4種類の識別が可能かどうか調べた.実験では4種類の矢印刺激を呈示し,その時の脳活動に基づくrandom forestによる識別率を調べた.その結果,平均80%以上の識別率が得られた.この結果から2ch NIRSでも4種類の識別が可能であると示唆された.