抄録
本研究ではデジタルコンテンツ間に設定された多様性のある関係をインタラクティブに可視化し,その結果をビジュアルインタフェースとしてコンテンツ選択に利用する閲覧システムを提案している.デジタルコンテンツの関係はコンテンツのグループ化と対応付けを用いて表現し,コンテンツやコンテンツのグループをノードとした有向グラフで記述する.これを関係カタログとして,デジタルコンテンツファイルとは別にアーカイブする.コンテンツ間の関係表示は有向グラフを可視化することで得られる.有向グラフの可視化として,水平方向と高さを変化させるノード配置方法を提案する.注目ノードに接続するエッジの水平方向は円弧状に配置されるように,高さは関係カタログの種類によって決定する.位置決定した後,ノードとリンクを3Dグラフィックスとアニメーションを使って描画展開していく.可視化結果を"Polymorphic View"と呼び,コンテンツ選択のビジュアルインタフェースとして利用する.グラフ上のコンテンツノードを選択して閲覧する度に新しい関係やコンテンツノードが追加描画され,リンクをたどることで関係する他のコンテンツを閲覧することができる.グラフの見え方や大きさは自由に変更できるため,複雑な関係であっても分かりやすい提示ができる.