抄録
プロジェクションマッピング(PJM)とは,立体物や凹凸面をスクリーンに見立て,投影された映像をその形に貼り合わせる表現方法である.本研究は文化財にPJMを用いることで,文化財の新しい展示方法を提案し文化財への理解がどの程度変化するのか確認することが目的である.函館市北方民族資料館に収蔵されている「バイダルカ」というアリュートが使っていた皮の船に当時の様子や歴史などを盛り込んだ映像を投影し展示を行った.本コンテンツは,市立函館博物館で行われた特別展の一つとして,実際に展示を行った.そこからアンケートによる展示の評価を行った.アンケートの結果から,PJMを用いた展示は鑑賞者の興味関心や理解を上がったと考えられる.PJM展示に対する印象は良く「わかりやすかった」「また見たい」などの意見も多くあった.また,主催者側の意見も聞いた.一方で,映像コンテンツに関して一部再検討する必要があると考えられた.