抄録
近年,仕事やいじめなどで受けた過度なストレスから自殺に追い込まれてしまうケースが見られるようになってきた.自殺者はうつまたはうつに近い状態であったと考えられる例があり,自殺とうつ病には密接な関係があるとされている.自殺に至るまでの心境の変化は,TwitterなどのSNSにおける投稿からも見ることができる.そこで本研究では,精神疾患であるユーザとそうでないユーザのツイートを3群に分けて収集した.そして,単語に感情を数値化した値を付加することで,ツイートの感情値を算出し,統計的な分析を行った.その結果,グループ間で感情値のばらつきに異なる傾向が観察され,本手法はうつ病の推定に有効であることが示唆された.