抄録
本文では,送電鉄塔の劣化診断において塗膜劣化見本となる標準画像 (以降,劣化見本 )の選択手法について検討する.送電鉄塔に対する劣化診断では,熟練技術者を中心に診断が行われている.このとき劣化見本は,診断結果のばらつき減少を目的として用いられる.しかしながら,現在使用されている劣化見本は,劣化診断を開始した当初に手動で選択されたものであるため,劣化見本の自動選択および診断者の熟練度に応じた劣化見本の更新が可能となることが望まれている.そこで本文では,機械学習を用いて劣化見本を自動で選択する手法を提案し,実験によって劣化見本が劣化診断に与える影響について考察する.本検討は,劣化診断に対して経験を有さない診断者の診断結果のばらつき減少に貢献する劣化見本の選択につながると考えられる.