J-STAGE トップ  >  資料トップ  > 書誌事項

ITヘルスケア誌
Vol. 12 (2017) No. 2 p. 9-18

記事言語:

http://doi.org/10.11204/ithc.12.9

原著論文

患者が薬剤を正しく服用すること, すなわち服薬アドヒアランスは, 薬物治療の前提となる重要な要素である. しかし, 5割以上の患者で薬剤が余った経験があり, その主な理由は飲み忘れであることが示されている. 本研究では, 我々の開発したスマートフォンアプリ「おくすりPASS」の服薬アラームの, 服薬アドヒアランス向上に対する効果を検証した. 201名の健常な男女を4群に分け, 各群で服薬アラームの使用期間を変化させた. 4週間服薬を模して分包紙を開封させ, その遵守率を求めた. その結果, 同一群内での比較においてアラーム使用期間の遵守率は不使用期間のそれに比較して有意に高く, アラーム使用開始のタイミングによらなかった. また, 服薬アラームの使用を続けた群は高い遵守率が維持されたのに対し, 初めの2週間だけ使用した群は後半2週間の遵守率が有意に低下し, 低下の幅は後者が有意に大きかったことから, 服薬アラームの効果は少なくとも4週間持続し, 2週間の服薬習慣化よりも有意に高い遵守率を保つことが示された. 以上から, 「おくすりPASSTM」の服薬アラームは, 分包紙を開封するという擬似的な服薬行為について効果的に遵守率を高めることが示された. 実際の患者の服薬アドヒアランスにおいても, 同様の効果を持つことが期待される.

Copyright © 2017 ITヘルスケア学会

記事ツール

この記事を共有