ITヘルスケア誌
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巻頭言
原著論文
  • 疋田 智子, 藤田 健一郎, 中井 隆史, 竹村 匡正
    2021 年 16 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー

    「看護必要度」は、患者に提供されるべき看護の必要量を導きだすことが可能であり、看護サービスの量と質を入院基本料に反映させるための評価基準として、筒井孝子らにより開発された。看護必要度は2008年の診療報酬改定で7対1入院基本料の届け出要件に義務づけられ、以後必要な看護サービス量の算定のみならず、配置管理や病床管理、あるいは病院指標の1つとして活用されてきた。しかし、問題点として、看護必要度評価のための教育と入力業務の負担が高いこと、また今後必要な看護サービス量を予測できないことなどがあった。ところで、看護必要度は患者の状態と看護量を表すと考えられ、一方、電子カルテのオーダー情報は患者の状態によりオーダーされることから看護サービス量と関係があると考えられる。そのため、オーダーに基づいて自動的に看護必要度を予測することができれば、配置管理や病床管理に利用できるだけでなく、看護必要度評価のための教育や入力業務の軽減が可能となると考えられる。よって本研究では、教師あり機械学習によりオーダーに基づいて看護必要度項目の予測および看護師配置数の予測可能性を検証することを試みた。予測結果は、看護必要度項目の正解率の多くが0.90以上、f値は0~0.85とばらつきがあった。また、看護師配置数予測では、実際の看護必要度の計算に基づいて算出された看護師配置数が117人に対して、予測された看護師数が116.8人であった。

  • - 手術室看護記録の音声入力支援に向けて –
    菅 彩香, 大野 ゆう子, 永安 真弓, 藤井 誠, 安藤 菜摘子, 藤牧 貴子, 工藤 榛香, 筒井 杏奈, 田嶋 哲也, 清水 春香, ...
    2021 年 16 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー

    背景:音声認識システムの開発が進んでおり、音声認識を看護記録システムに導入することで記録業務の効率化が期待されている。臨床研究では記録システムとしてのユーザビリティや話し言葉の識別精度の検討が始められている。音声認識技術を看護記録作成に活用をする場合、話し言葉と書き言葉の違いがボトルネックとなる可能性がある。そこで、本研究では外回り看護師の発話と看護記録で用いられる用語の対応関係を調査した。

    方法:3件の婦人科腹腔鏡手術から、看護師の口述と看護記録のデータを取得し、形態素解析を行った。形態素の内容の比較は名詞に着目して行い、看護記録から収集された名詞の形態素をカテゴリーとサブカテゴリーに分類し、各カテゴリーに対応する口述の形態素を抽出し比較を行った。

    結果・考察:口述と看護記録のデータそれぞれから9,220件と552件の形態素が分析のため抽出され、そのうち2,370件と450件は名詞の形態素であった。看護記録の名詞の形態素のうち26.2%は口述から同一の形態素が抽出され、63.2%は口述では同じ意味・内容を示す別の用語に言い換えが行われていた。また、看護記録の形態素のうち10.5%は、口述には含まれていなかった。本研究では、多くの口述と記録の用語に対応関係を認めており、看護師の口述から看護記録作成を行うためのキーワードの抽出を行える可能性が示唆された。しかし、口述と記録で用いられる用語の差異を認めることから、記録の音声認識支援を行うためには、口述と記録の用語の関連付けを充実させる必要があると考えられる。

  • 渡辺 宗一郎, 大野 ゆう子
    2021 年 16 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/08/12
    ジャーナル フリー

    国の調査によると、ストレスを感じている労働者は58%であり対策は急務である。しかし、ストレスの発生機序は様々な要因が複雑に絡んでおり、多重共線性の問題などから従来の統計手法では検討には限界があった。そこで、本研究では、企業での大規模な健康調査において、機械学習を用いて多角的にストレスに影響を与える因子を検討し、その重要度について考察した。対象はA物流企業の7,255名の男性であり、6,166(85%)名の参加の同意を得た。調査は、職業性ストレッサー(営業所、通勤時間、業務内容、労働時間、深夜勤務、仕事余暇、心理的安全性、仕事要求度、仕事調整)、個人要因(年齢、職種、社歴、同居、ストレス対処能力)、業務外要因(BMI、喫煙、飲酒、運動、家事、介護、睡眠の質)、緩衝要因(上司支援、同僚支援)、以上31の因子に加えて、知覚ストレスについて自記式アンケートにて実施した。解析は、まず主成分分析により多変量による構成因子の可能性を検討した後、機械学習の4手法(RandomForest, XGBoost, LightGBM, CatBoost)を用いて分析し、最も高い決定係数を示したLightGBMを用いた。重要度算出は、一貫性が証明されているSHAP値を用いた。その結果、ストレス対処能力が最も重要度が高く、次に睡眠の質という結果となった。ストレス対処能力や睡眠の質の向上などに係る対策の重要性が示されたと考える。また、機械学習により多要因を同時に検討することにより、ストレス軽減対策について優先順位を付け実施する可能性を示した。

編集後記
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