抄録
本稿では,刈取り以外に雑草植生の形成や維持に影響を及ぼす要因のうち,種間相互作用と土壌化学性という2点を紹介した.「ある場所でより早く生育を開始した個体が,それより後からきた個体よりも残存・定着に際して有利であり,長期的に残存しやすくなる」というプライオリティ効果は,雑草植生が年月をかけて徐々に「管理」に適合した姿となるまでの「途中段階」への理解を深めるのに役立つ理論である.貧栄養土壌は,一般に,植物の種多様性の高さと深く関連することが知られるが,それに加え,土壌化学性はプライオリティ効果の強さや刈取り後の植生変化速度を変えることを通し,植生の形成に無視できない影響を及ぼす点でも重要である.