抄録
1970年の政府による減反政策開始以来,日本の耕作放棄地面積は増加を続け今日30万~60万haに及び(統計の種類や見方により異なります),中山間農業地域での農業者の高齢化・人手不足等々からさらなる増加が予測されます.具体的対策が五里霧中のなかで明らかなのは,放任による遷移の結果生じるセイタカアワダチソウ等大型多年生雑草中心の荒廃植生への対処が,今後の土地利用がどうあるかにかかわらず必須であることです.このことの重要性の関係者への理解を促すためNPO法人緑地雑草科学研究所では,福井県の条件の異なる4地区の耕作放棄地を対象に実態調査を実施し,植生と影響要因との関係を解析しました.放任すれば5年で荒廃植生になるのに対して,適切な管理を続ければ20年以降も一年草群落が維持されるという注目すべきエビデンスも含めた調査結果をもとに,植生改善・維持について考察しています.