草と緑
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セイタカアワダチソウ(Solidago altissima L.)
小西 真衣
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2010 年 2 巻 p. 29-35

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抄録
セイタカアワダチソウが分布を急速に広げたのは戦後であり、その分布は人間生活圏の周囲に集中している。種子は非常に小さく軽く風で飛ばされ、根茎は地下の浅いところに水平方向に張り巡らされている。純群落の地上部は、高密度でバイオマスが大きく、相対照度が非常に小さいので他の草が入り込むことは不可能となる。ロゼットで越冬し、越冬ロゼットは4月に入ると急速に伸長する。種子からの生育は遅いため、速やかに地下部を発達させロゼットを形成し翌春の生長に備えることが、群落を形成・維持するうえで非常に重要である。刈り取りの効果には、時期によって異なる光合成産物の振り分け先が関係する。1970年代には本種の有害性や、時には善悪についての「セイタカアワダチソウ論争」ともいえる大論争が起こったが、この騒ぎがきっかけとなり多くの自治体で問題雑草の対策を義務付けるようになり市街地の雑草繁茂状況がかなり改善されたのである。
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© 2010 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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