岩手医学雑誌
Online ISSN : 2434-0855
Print ISSN : 0021-3284
Case Report
高度な眼瞼腫脹が血腫除去術で軽快した眼窩リンパ管腫内血腫の1例
五日市 そら 三善 重徳村上 陽子田中 三知子野田 実香黒坂 大次郎
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2021 年 73 巻 5 号 p. 237-242

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抄録
我々は高度な眼瞼腫脹が遷延し,眼窩リンパ管腫内血腫を除去した症例を経験したので報告する.患者は14歳男児で5歳時に右眼窩リンパ管腫の急性増悪の既往がある.今回は外傷を契機に右眼瞼が高度に腫脹し開瞼不能となった.リンパ管腫の急性増悪と診断し,保存的治療を行ったが,3ヵ月後も十分な開瞼が不能であった.リンパ管腫は筋円錐内・外の眼窩内上方から眼瞼におよんでいたが,血腫を伴う嚢胞は筋円錐外の皮下に近い部分に位置していたため,皮膚からのアプローチによる血腫除去術を施行した.術中から眼瞼腫脹は改善し,術後に開瞼が可能となった.現在まで16ヵ月間再発を認めない.
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© 2021 岩手医学会
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