岩手医科大学歯学雑誌
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原著
エプーリスの病理学的検討
第1報 症例の概要
福田 容子戸塚 盛雄武田 泰典鈴木 鍾美
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1985 年 10 巻 3 号 p. 136-141

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抄録

 筆者らはエプーリスの病理学的取り扱いをいかにするかを目的として種々の検討を加えているが, 今回は症例193例の概要を報告した。性比は男性64例, 女性128例, 不明1例で約1:2と女性に多かった。病理学的分類は石川の分類に準じた。その内訳は線維性エプーリス70例, 骨形成性エプーリス55例, 肉芽腫性エプーリス25例, 末梢血管拡張性エプーリス16例, 血管腫性エプーリス14例, 線維腫性エプーリス4例, 先天性エプーリス3例, 不明6例であった。腫瘤の大きさは桜実大までのものが大半を占めていた。発現部位は上顎前歯部が最も多かった。発症年齢は20〜50歳代に好発しており, これらの年代で性差はとくに著明で, 女性に多く, なかでも20歳代で女性の占める割合が高かった。

 各組織型ごとに発症年齢をみると線維性エプーリスは40, 50歳代に多く, 骨形成性エプーリスは20歳代と50歳代に多かった。血管腫性エプーリスは20, 30歳代に発症する割合が高かった。

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1985 岩手医科大学歯学会
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