1985 年 10 巻 3 号 p. 149-160
昭和50年から58年までの9年間に岩手医科大学歯学部附属病院を訪れ, 予診室に新患登録された患者について検索した。
患者数は50年の6750人から53年の5130人まで減少し, 以後一定数を維持していた。男女比は女性がやや多く, 男女とも10歳未満の増加が認められた。診療科別では, 第一保存科の患者は9年間に半減し, 第二保存科は漸減, 補綴科と口腔外科も多少減少傾向を示した。矯正科は漸増し, 小児歯科は53年に最低の患者数を示し, 以後増加を示した。地域別では, 盛岡保健所管内の患者数は激減し, 他の岩手県内では漸増し, 県外では変動はなかった。とくに県南では, 歯科診療所の増加にもかかわらず来院患者が増加していた。また, 小児歯科, 矯正科および紹介患者を除く一般患者の比率は, 50年の73%から58年は38%に激減した。なお, 58年の当院の90%診療圏は, 岩手県内であった。