岩手医科大学歯学雑誌
Online ISSN : 2424-1822
Print ISSN : 0385-1311
ISSN-L : 0385-1311
原著
老化促進モデルマウス(SAM-P/2)舌の組織構成の逐齢的変化について
佐藤 方信佐島 三重子板垣 光信鈴木 鍾美
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 10 巻 3 号 p. 172-176

詳細
抄録

加齢にともなう舌の組織構成の変化を解明することを目的に老化促進モデルマウス(SAM-P/2: 2, 6, 12か月齢) の舌を組織学的に検索し, 併せてSAM-R/2 およびddY 系マウスのそれらと比較検討した。 舌の前, 中, 後部の3か所より前額断として組織を切り出し, 通常の方法で作成したヘマトキシリン・エオジン染色標本について点計測法により組織構成々分の分布を検索し, それらの割合を求めた。

SAM-P/2 とSAM-R/2 および ddY 系マウスとの間に舌の組織構成々分の量的変動に関して逐齢的な観点から大差はみられなかった。舌の筋組織の割合は SAMT/2, SAM-R/2 および ddY 系マウスの全ての月齢において最も高く, 線維性組織の割合がこれに次いでいた。 脂肪組織は検索したいずれの動物種においても認められないか, 認められてもごくわずかの量であった。 SAM-P/2, SAM-R/2 および ddY 系マウス舌の組織構成々分の逐齢的変化では筋組織と線維性結合組織の割合の変動が主体であり, この様相は舌前部においてより顕著であった。

著者関連情報
1985 岩手医科大学歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top