岩手医科大学歯学雑誌
Online ISSN : 2424-1822
Print ISSN : 0385-1311
ISSN-L : 0385-1311
症例報告
左右両側性に出現した下顎の過剰小臼歯の一例
武田 泰典小川 武裕野坂 洋一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 10 巻 3 号 p. 202-210

詳細
抄録

下顎の左右両側性に過剰小臼歯が出現した成年男子の一症例を報告する。左側の過剰小臼歯は定型歯と非定型歯がそれぞれ1本ずつであった。定型歯は第一大臼歯相当部に位置し, ほぼ同大の2咬頭を有し, 咬合面溝はH型を呈した。非定型歯は第二小臼歯遠心部舌側に位置し, 栓状の形態を呈していた。一方, 右側の過剰小臼歯は1本で, 大臼歯部舌側に位置し, その形態より定型歯と考えられたが, 副咬頭を有していることから大臼歯化の傾向を呈したものと思われた。

下顎の左右両側に過剰小臼歯を有する症例は筆者らの例を含めて本邦では53症例が報告されており, これら過剰歯の出現状況について若干の考察を加えた。

著者関連情報
1985 岩手医科大学歯学会
前の記事 次の記事
feedback
Top