1985 年 10 巻 3 号 p. 195-201
ddY系雄性マウスにおける垂直運動量 (VMA) と水平運動量 (HMA) に及ぼす methamphetamine および morphine の効果が, 教室の伊藤らが開発した装置を用いて検討された。運動量の測定は薬物投与後10分ごとに180分間にわたって行われた。
1. Methamphetamine の場合: VMA および HMA は0.1mg/kg, s.c.では軽度減少を, 1mg/kg, sc.では増大を示した。また, 10mg/kg, s.c.では両者とも著明に増大したが, 1mg/kg, s.c.で観察された変化と質的に異る二相性の活性変化を示した。
2. Morphine の場合: VMA は用量に相関なく減少した。 HMA は小量 (2mg/kg, s.c.) では減少を, 大量(10mg/kg, sc. 以上) では用量依存的に増大を示した。
以上のことから, methamphetamine および morphine はマウスの VMA と HMA に対して用量に依存して異った影響を及ぼすことが示された。