1990 年 15 巻 3 号 p. 197-204
1985年1月から1990年3月まで6年間にわたり, 慢性疾患児・虚弱児収容施設の小・中学生を対象として, 毎月一回, 咽頭培養を行いA群レンサ球菌の分離を行った。A群レンサ球菌(M4, M6, M12型)分離陽性者について, IgM, IgG抗体をenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)により測定して次の結果を得た。
1)ELISAによるA群レンサ球菌の抗体測定で, M型抗原量は, 0.5~1.0μg/mlの範囲内では抗体価は最高値を示し, IgM, IgGともに型特異的であった。
2)同一症例で, M4, M6, M12型抗体価をT型抗体価と比較すると, M型抗体価がIgM, IgGともに8倍高かった。
3)T型抗体が消失した例について, M型抗体を測定するとM型抗体は確認でき, 持続期間の長いことがわかった。