2018 年 42 巻 3 号 p. 94-108
口腔は消化管や呼吸器の入り口であり,様々なウイルスや細菌の侵入門戸になっているため,多くの内科的疾患の発症に深く関与している.全身疾患に関連する口腔症状は多彩で鑑別が難しい.しかしながら,われわれ歯科医師は医学的な知識を十分に養いこれらの症状に対応する必要がある.超高齢化社会の日本では,65 歳以上の人口が,2025 年には30%に達すると試算されている.本稿では,今後更に重要性を増していくものと思われる全身疾患に伴う口腔症状について概説する.