1982 年 7 巻 2 号 p. 131-138
顎骨中心性の良性線維性ならびに線維骨性病変の本態ならびに相互の関連性について検討し, その鑑別診断を確立する目的で現在まで当講座でとり扱った本病変52例について病理学的な検索を進めている。 これらの病変は主としてWHOの分類にしたがって分類した。その内訳はセメント質性病変23例, 線維性病変17例, 骨性病変5例, 巨細胞性病変3例, ならびに分類不可能でその他としたもの4例であった。発症部位はいずれの病変も下顎臼歯部に多かった。臨床症状は腫脹を呈するものが最も多く, 発症年齢はセメント質腫および骨腫と線維性および巨細胞性病変の間に明らかな差が認められた。