岩手医科大学歯学雑誌
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症例報告
超高感度口内法X線フィルムによる被曝線量の軽減
太田 耕造坂巻 公男前田 光義今沢 優後藤 美智恵小松 賀一新里 真理米沢 輝男
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1983 年 8 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

X線撮影の増加に伴なう患者の被曝の増加を軽減するため, 我々は超高感度口内法X線フィルム (EKTASPEED)の使用を検討した。方法は, 従来のフィルム(ULTRASPEED)とEKTASPEEDについて, 特性曲線による性状の比較, および両フィルムによる骨ファントームX線写真像についての歯科放射線科医員による画質の差の有無, 差の程度についての盲検法による比較観察である。

EKTASPEEDの特性曲線はULTRASPEEDのそれを平行移動させた様な相似型を呈し, r値, 直線部分ともほぼ同等であった。EKTASPEEDの感度はULTRASPEEDの約2倍であった。骨ファントーン像についての比較観察では, EKTASPEEDはやや粒状が荒いとする意見もみられたが, 概ね診断上障害とならないと評価された。このことから本学歯科放射線科においても被曝軽減の見地から超高感度口内法X線フィルムへの切替えを考えている。タイマー機能を始めとする撮影条件の適正化が図られ次第, 切替えを実施したい。

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1983 岩手医科大学歯学会
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