2008 年 2 巻 p. 89-96
伊豆沼・内沼において,ヨシ群落での刈り取りの有無と群落の種構成との関係を明らかにするために調査を行なった.定期的な刈り取りが行なわれているヨシ群落(管理区)では,刈り取りが行なわれていないヨシ群落(非管理区)と比べて,春季の調査で生育種が多い傾向が見られた.特にスゲ属の各種は,管理区でより種数が多く,被度,群度も高い傾向を示した.ヨシの被度・群度は,管理区で低い傾向があり,その傾向は春季に顕著であった.群落高は春季には同様に管理区で低かったが,秋季にはほとんど差が見られなかった.これらのことから,刈り取りは特に春季のヨシの被度・群度および群落高に影響を及ぼし,スゲ属植物をはじめとした日当たりの良い水湿地に生育する種の生育適地を創出していると考えられる.