ラムサール条約登録湿地である石川県加賀市の片野鴨池において,野外調査および採集した植物をもちいた実験によって溶存酸素量の経時変化と水生植物の関係についての調査を行なった.野外調査,実験とも,溶存酸素量は日の出直前にもっとも低くなり,南中時刻からその直後にもっとも高くなったことから,植物の光合成と呼吸の影響を受けていると考えられた.さらに,実験の結果からオニビシは溶存酸素量の低下に影響し,マツモやホソバミズヒキモなどの沈水植物は照度が高い時間帯には上昇,低い時間帯には低下に影響していると考えられた.