2014 年 2014 巻 15 号 p. 87-100
本稿は,リース会計基準の変更によって投資家による企業評価に影響があったか否かを検討する。分析の結果,企業がリース会計基準変更後にファイナンス・リースを減少し,オペレーティング・リースを増加させた場合,そのようなオンバランス化回避行動は株主価値評価に負の影響を与えている可能性があることわかった。さらに,当該行動前の負債比率が高い企業においては,そうした影響が顕著であることを示している。本稿は会計基準の変更に伴う企業行動の変化が負の経済的帰結を生じさせる可能性があることを示唆している。