会計プログレス
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業績評価のバイアスが 昇進の意思決定に与える影響
小笠原 亨佐久間 智広三矢 裕
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2016 年 2016 巻 17 号 p. 95-106

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抄録
 業績評価における寛大化・中心化バイアスが,昇進の意思決定における業績評価の有用性を低下させることは,先行研究で主張されてきた。しかし,企業内の業績評価に関するデータが入手困難であるため,これまで経験的証拠が得られていなかった。本研究では上場企業1 社の人事データをもちいた分析から,寛大化バイアスは昇進の意思決定に影響を与えない一方で,中心化バイアスが低い部門ほど,業績評価の結果が昇進に反映されることを発見した。この結果は,同一業績評価システムの下でも中心化バイアスの程度によって,昇進の意思決定における業績評価の有用性が異なることを示唆する。
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© 2016 日本会計研究学会
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