会計プログレス
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わが国サービス産業における会計情報システムの効果を高める組織能力の研究
山矢 和輝生方 裕一岡田 幸彦
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2018 年 2018 巻 19 号 p. 17-32

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抄録

 サービス産業は,わが国GDPの約7 割を占めており,生産性と収益性の向上が重要な課題とされる。そして意思決定支援機能を高めると,サービス企業の競争優位性が高まる可能性が実証的に示されている。そこで本研究は,会計情報システムを活用するための組織能力としてのダイナミックAISケイパビリティが,意思決定のための会計情報提供プロセスの質及び組織業績に与える影響を明らかにすることを目的とする。わが国サービス企業に対する郵送質問票調査に基づく共分散構造分析の結果,ダイナミックAISケイパビリティを構成する3 要素である「システムの柔軟性」,「BIシステムの活用」,「会計担当者のIT能力」が高いことは会計情報提供プロセスの質の向上に貢献し,会計情報システム及びERPの効果が高まり,組織業績が向上する因果メカニズムが実証的に示された。

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© 2018 日本会計研究学会
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