2019 年 39 巻 3 号 p. 376-379
当ER-HCU病棟ではこれまで, 介護度の高い患者が自宅退院をした症例はなかった。入院前に比べ介護量が増加した患者が自宅退院を目指した取り組みについて報告する。80歳代, 女性。敗血症ショックにより入院後, 転院調整するが感染症があり難渋する。家族は在宅介護の経験もあり自宅退院を希望したため支援を開始する。キーパーソンは長女であったが, 主介護者は次女であり, 高齢でもあった。他職種と協働し技術習得の計画を立案した。入院前と比べ介護量の増加が著明であり, 技術習得の困難さが予測されたが, 家族は経験からできると思っていた。しかし進めていくと戸惑いや不安を訴え, 家族と医療者が思うことのギャップは大きいと感じた。それを埋めるために, 段階に合わせた指導や, 負担をかけすぎないことも重要である。また他職種と協働することでより適正な役割分担が可能となる。現在在宅療養の必要性が増しており, 救急病棟でも先を見据えた取り組みが必要とされる。