日本救急医学会関東地方会雑誌
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Print ISSN : 0287-301X
症例報告
透析後に著明な脳浮腫をきたしたメタノール中毒の1例
大野 孝則堀内 弘司河西 克介比留川 賢一川上 正人
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2019 年 39 巻 3 号 p. 380-383

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抄録

61歳女性, 意識障害を主訴に救急搬送となった。経過からは24時間から36時間経ったメタノール中毒によると診断した。推定メタノール血中濃度は331.5mg/dLであった。すでにpH6.713と代謝性アシドーシスを呈していたことから, メタノールからギ酸への代謝が進んでいることを考慮し, 間欠的血液浄化を行い血中メタノールおよびギ酸の除去を試みた。透析終了後pHは7.623まで改善していたものの2時間後に瞳孔散大となり, 頭部CT再検したところ著明なpsuedo-SAHを伴う脳腫を認めた。同様の経過をたどった過去の症例と比較したところ経過時間が長く, 来院時のメタノール濃度の高い症例では透析後に脳浮腫をきたす傾向があるようにみられた。脳浮腫の原因としては神経細胞内にメタノールもしくはその代謝物質が蓄積したことに伴う神経細胞内の再膨張によるものである可能性がある。

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