AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
都市化の進展が洪水による 浸水リスクに及ぼす影響分析 ー東ティモール民主共和国を対象としてー
峰松 優祈藤生 慎森崎 裕磨今 洋佑高田 和幸高山 純一
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キーワード: Timor Leste, remote sensing, GIS, LULC, flood
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 5 巻 3 号 p. 608-613

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抄録

発展途上国である東ティモール民主共和国では,雨季の豪雨により,洪水が頻発している.2021 年に発生したサイクロン Seroja では,道路や橋梁など基盤インフラに甚大な被害が生じた.防災インフラの強化については積極的に取り組まれているものの,途上国である東ティモールは災害などのデータが乏しく,洪水による被害想定は行われていない.そこで本研究では,首都であるDili 県のCristo Rei・Hera を対象として,GIS やリモートセンシングを用いた都市の発展と洪水リスク評価を実施した.欧州宇宙機関が運営する衛星である Sentinel-2 と GIS のソフトウェアの一つである Arc GIS Pro を用いて,土地被覆分類を実施し,浸水域と重なる都市域の面積を比較した.結果として,Hera 地区の都市域は 2016 年から 2024 年にかけて,約 1.89km2 増加し,浸水域は約 2 倍となった.Hera 地区では洪水リスクが高い地域に都市域が広がっていることが明らかになった.

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© 2024 公益社団法人 土木学会
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