抄録
少子高齢化や社会的孤立などの社会課題が増加する中、地域の支え合いを促進するためにボランティア活動の重要性が高まっているが、参加者数は減少傾向にある。従来の金銭的報酬やポイント制度などのインセンティブは一定の効果を示しているが、非金銭的な動機や支援のあり方については十分に解明されていない。
本研究では、ボランティアが求めるインセンティブについて明らかにすることを目的として、全国の社会福祉協議会に登録する経験年数5年以上のボランティア1766人に対し、自由記述を収集し、計量テキスト分析を実施した。その結果、ボランティアは「資金や人材確保」だけでなく、「自己成長」や「グループの存続・育成」、「具体的な支援や交流」など、重層的なインセンティブを求めていることが判明した。年代別の特徴は明確でないものの、若年層は「楽しむ」こと、中堅層以降は「グループ」や「育成」への関心が高い傾向が見られた。