生命倫理
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「研究倫理コンサルテーション」の現状と今後の課題 : 東京大学医科学研究所研究倫理支援室の経験より
神里 彩子武藤 香織
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2010 年 20 巻 1 号 p. 183-193

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抄録
近年、研究倫理に対する社会的関心・要求は高まりを見せ、これに伴い、研究の「現場」にいる研究者が、倫理申請等に関して疑問や問題を抱えたときにすぐに相談できる体制の整備が求められている。アメリカでは、研究者への支援策として「研究倫理コンサルデーション」を提供する機関が増えている。しかし、「研究倫理コンサルテーション」の内容や方法等については各機関で異なり、その概念化や評価についての議論は緒に付いたばかりと言える。東京大学医科学研究所では、2008年8月に、日本で始めて教員を中心に構成する「研究倫理支援室」を設置し、2009年4月より倫理審査申請書等の事前チェックを含む「研究倫理コンサルテーション」を行っている。本稿では、医科学研究所の経験を紹介し、そこから見えた課題を考察したい。また、アメリカの状況を参考にしながら、「研究倫理コンサルテーション」の概念や位置づけについて検証する。
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2010 日本生命倫理学会
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