2019 年 29 巻 1 号 p. 4-36
第30回日本生命倫理学会( 2018年12月、京都) にて著者らは、本学会の30年間の歩みを振り返る3 つのポスター展示—1 ) 30年間の国内の生命倫理に関わるトピックス、2 ) 30年間の日本生命倫理学会の活動の概要、3 ) 30年間の学会誌『生命倫理』の変遷—を行った。本稿はその発表内容を再編集しまとめたものである。30年の間に生命倫理に関わる多くの社会的な問題が生じ、さまざまな法や倫理指針が施行されてきた一方で、法規制の必要性が指摘されながら制定に至っていない領域もある。社会的な流れと呼応するように、本学会自体も様々な変化を経験し、また学会誌『生命倫理』においても時代ごとに多様なトピックスが取り上げら れてきた。本論文を通じてここまでの30年間の歩みに敬意を表すとともに、本学会員、ひいては本邦の生命倫理学にとって有用な資料の提供、並びに、これからの生命倫理学会の発展につながる契機となることを願う。