2019 年 29 巻 1 号 p. 85-94
近年、臨床研究計画や研究内容に関連した倫理的問題への対応等について助言や推奨を与える研究倫理コンサルテーション・サービスの活動が広がりつつある。しかし、その活動が扱う臨床研究の内容やそれを取り巻く法・規制環境が高度化・複雑化する中で、それを担当する「研究倫理コンサルタント」には高度な専門的知識等が必要となってきているが、研究倫理コンサルタントに果たしてどのようなコンピテンシーが必要であるか、ということの検討はこれまでほとんどなされていない。診療上の倫理問題について当事者に助言を行う臨床倫理コンサルテーションでは、これに先行してその担い手である臨床倫理コンサルタントに必要なコンピテンシーについて検討されてきた。そこで本研究では、臨床倫理コンサルタントでのコア・コンピテンシー・モデルを参考に、研究倫理コンサルタントに必要なコア・コンピテンシーについて検討を行い、モデルの作成を試みたので報告する。