本研究は、高校生の死生観に関する理解を深め、自身および家族が病気になった際の病名告知希望とその理由を、地域および性別の観点から比較することを目的とした。2023年5月にA県およびB県の高校2年生理系クラス各100名を対象に、死生観調査票(Maruyama et al., 2000)を用いて質問紙調査を実施した。病名告知の希望理由について、「権利」「準備」「家族」「自己選択」「信頼」の5要因に注目し、告知を望まない場合は「見ることを望まない」「見られること」「見られた後」「配慮」「察する」の5要因に焦点を当てた。結果、告知希望の有無に地域間で有意差は見られなかったが、告知を望む理由では「自己選択」の要因がB県でA県よりも有意に高かった。A県では、女子が男子よりも「準備」「家族」の要因で自分への告知を望む傾向が見られ、B県でも「準備」要因で女子の方が高かった。また、家族への告知理由としては、A県では「準備」の要因がB県よりも高く、B県では男子が「権利」、女子が「準備」を重視する傾向があった。これらの結果から、病名告知の希望理由には地域や性別による違いがあることが示唆された。