2025 年 35 巻 1 号 p. 53-62
近年、人を対象とする研究は、工学系や人文科学系など非医学系の研究機関においても広く実施されるようになっているが、実際には「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」の理解が不十分で、医学系研究の実施経験が乏しい研究者もいる。倫理指針への重大な不適合が発生した場合には、研究者個人に止まらず研究機関の信頼にも関わる大きな問題となるが、既存のe-learningや医学機関主催の倫理講習会等は、医療系研究者向けに作成されており、非医学系研究機関に所属する研究者には馴染みにくいものが多い。そこで我々は、非医学系研究者向けの人対象研究倫理教育プログラムを作成し、研究不正に対する受講者の意識変化を分析し効果を検証した。何が研究不正や倫理指針違反にあたるかを考えさせる実例提示と、議論を中心としたアクティブ・ラーニング型の研修により、受講者の理解を深め当事者意識を向上させるという成果が得られ、効果的な教育方法と考えられた。