生命倫理
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報告論文
日本母性保護医協会と優生保護法下の優生手術
横山 尊Takashi YOKOYAMA
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2025 年 35 巻 1 号 p. 34-42

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抄録

 本稿は、優生保護法指定医団体の日本母性保護医協会が、同法下の優生手術に果たした役割を示す。日本母性保護医会( 現・日本産婦人科医会) は、1948年制定の優生保護法第12条に基づく指定医師の団体として、49年に結成された。会長は熊本出身の産婦人科医、参議院議員の谷口弥三郎だった。2018年以降、優生保護法の強制不妊手術に対する裁判以降、関連する言論や検証も増えた。それに対し、本稿は、日母抜きで優生保護法体制を語ることへの根本的違和感を表明する。『母性保護医報』をたどれば、谷口と日母が同法成立以後、議員立法と指定医制度を背景に同法の改正と運用を主導する位置にあったことは明白である。谷口は日母での意見も交えて1950年代の国会で再三、優生手術の徹底を厚生省に要求した。日母全体でも精神薄弱者などの優生手術の徹底を支持し、精神科医や刑務所医官の不熱心を非難した。現在も優生保護法で産婦人科医が果たした役割の検証は全く不十分である。本稿はその状況の改善に寄与したい。

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