生命倫理
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報告論文
胎児治療研究における倫理的課題
-妊婦のリスク/利益の観点から-
高井 ゆと里川崎 唯史山本 圭一郎松井 健志Yutori TAKAITadashi KAWASAKIKeiichiro YAMAMOTOKenji MATSUI
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2025 年 35 巻 1 号 p. 63-71

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抄録

 胎児治療研究の倫理を巡る議論は活発化しているが、議論の中心は研究のリスクと利益の分配、及びその考量である。しかし、胎児治療という第一義的には胎児の健康向上を目的とする医療的措置の研究において不可避的にリスクを背負う妊婦のリスクをどのように正当化し、またどのように妊婦を過大なリスクから保護すべきかという問題には、未解決の部分が大きい。本稿では、現在の議論で有力視されている「二患者モデル (Two-Patient model)」に代わる「胎児-妊婦コンプレックス」モデルを提示することによって、胎児治療研究において妊婦が負担するリスクの存在を正当化するとともに、「最小限のリスク」のような既存の規制概念に代えて、過大なリスクを容認しないための実質的な考慮事項を提出する。胎児治療は、妊婦と胎児という 利害が絡み合う「複合体」の共同的プロジェクトを助けており、胎児治療研究においても、その複合体の想定の下でリスク/利益の評価を行うべきである。

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日本生命倫理学会
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