2018 年 27 巻 1 号 p. 1-12
本研究では,肢体不自由児と病弱児を対象とする特別支援学校において,教員である筆者が,生徒たちとの日々の関わりの中で,ソリューション・フォーカスト・アプローチ(SFA)を活用し,①SFAを用いた生徒たちとの対話,②SFAを用いた元気度チェック,③SFAを用いたソーシャル・スキル・トレーニングの授業の3つの実践を行い,それぞれの効果を検討した。その結果,生徒一人一人の主体性・自己肯定感・表現力が向上した。また,生徒たちは,自分なりの答え(解決)を自分の力で見付け出した。教員は,生徒たちにとって身近な存在であり,日々の何気ない関わりの中でSFAを活用することができることから,教員がSFAを活用することに意義があると考える。