抄録
異なる利害関係を持つステークホルダが多数存在するプロジェクトでは、
相互理解の不足やコミュニケーションの齟齬がプロジェクトの円滑な進
行を妨げる場合も少なくない。プロジェクトマネジメントにおける感性
コミュニケーションの重要性は認識されている。
本研究では、企画者と開発者が連携するプロジェクトを題材として、両
者がコミュニケーションの齟齬なくプロジェクトを推進するための要件
について考えた。具体的には、(1)企画書レビューの場と(2)プロジェク
トマネージャの役割が良好なコミュニケーションの推進要因であると仮
定し、その効果を確かめる実験をおこなった。その結果、(1)はプロダ
クトリスクの低減に、(2)はプロジェクトリスクの低減に有効であるこ
とが見出された。また、企画者の提案したコンセプトを開発者が具体化
する過程で使用される語彙を分析し、語彙内容からプロジェクトにおけ
る感性コミュニケーションの状態を評価できる可能性を示した。