2006 年 1 巻 3 号 p. 35-45
本研究の目的は,集中治療室におけるチーム医療を看護師がどのように認識しているのかを明らかにすることである.集中治療室における臨床経験年数が 3~10 年の看護師 10 名に半構成的面接を実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて継続的比較分析を行った.
その結果,チーム医療に対する看護師の認識には,<チーム医療に添う><チーム医療を取り仕切る><チーム医療を操る>の 3 つのカテゴリーが明らかとなった.これらの認識は,看護師の経験,看護師の力量の 2 つの軸で導かれ,医師との関係に影響を受けて患者に最良のチーム医療を提供することに向かう発展的変化であった.
以上のことから,看護師の力量を育む支援の充実が重要であり,他職種への関心を喚起し,互いの専門領域の役割や機能についての理解を深めるための学習の機会,および他職種との積極的なコミュニケーションは,最良のチーム医療を提供するために必要であることが示唆された.