日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
救急重症患者家族の思いと行動
―搬入前・初療時・入院後―
橋田 由吏大森 美津子
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2006 年 1 巻 3 号 p. 46-59

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抄録

救急重症患者家族の思いと行動により,その特性を記述することを目的に,救命救急センターに搬送されてきた患者の家族に対し,初療時の参加観察と,搬入前からの思いと行動についての半構造化面接を行った.
対象となった家族は 7 名で,続柄は母,妻,娘,息子の嫁,息子であった.搬入前の家族は,患者の生命を維持するために必死の思いで行動していたにもかかわらず,処置中・入院後の時期は,患者のことを最優先に考えながらも,情報の少なさを感じ,離れられない思いで行動の限界を感じていた.また,搬入前の家族は家族間で果たす役割を認識し,処置中の家族は相互作用を発揮するために必要な家族の選択を行い,入院後は患者の変化に伴う役割をそれぞれが判断して行動していた.家族にとって,処置中の医療従事者の緊迫した姿や処置中の患者の姿を見ることは,安心感とともに,不快を感じている家族もいた.

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© 2006 日本クリティカルケア看護学会
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