日本クリティカルケア看護学会誌
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総説
我が国のクリティカルケア看護領域における臨床判断に関する文献レビュー
江口 秀子明石 惠子
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2014 年 10 巻 1 号 p. 18-27

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抄録

 本研究の目的は,文献レビューを通してクリティカルケア看護領域における「臨床判断」の特徴を明らかにすることである.医学中央雑誌WEB版を用い「臨床判断」に関する国内の文献を検索した結果,クリティカルケア看護領域での臨床判断に関する研究は2005年以降からみられ,2012年4月までに発表された8文献を分析対象とした.結果,《見通しを立てる局面》《見通しを確定し,ケアを選択する局面》《ケアを実施しながら判断する局面》《振り返り,経験の蓄えとする局面》の4つの局面が見出された.さらに臨床判断を構成する要素は,①臨床判断の内容,②臨床判断に用いる情報・手がかり,③臨床判断に影響を及ぼす要因に分類された.そして,クリティカルケア看護領域の臨床判断の特徴は,疾患や生体情報,患者の症状とその経時的変化という客観的情報が重要視されていることと,過去の類似した事例の経験の有無が臨床判断に影響を及ぼしていることであった.

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© 2014 日本クリティカルケア看護学会
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