日本クリティカルケア看護学会誌
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研究報告
外科系病棟看護師が捉える術後疼痛管理における問題
山本 奈央遠藤 みどり井川 由貴
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2014 年 10 巻 3 号 p. 35-44

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抄録
 本研究は,外科系病棟看護師が捉える術後疼痛管理における問題を明らかにすることを目的とした.医療機関の外科系病棟に勤務する看護師を対象に,調査票を用いて回答を求めた.201名から得られた自由記述データを分析した結果,24のサブカテゴリーと,【鎮痛管理の限界と困難感】,【医療者の疼痛管理の認識不足】,【緩和ケア不足とジレンマ】,【医療者の協働不足】,【疼痛管理システムの未整備】の5カテゴリーが抽出された.効果的な術後疼痛管理を実践するためには,看護師自身が術後疼痛および薬理学を含む疼痛管理に関する幅広い知識を持ち,多様な個別状況に対応できる疼痛管理の判断力と実践力を高める必要がある.さらに,積極的に鎮痛緩和が図れるよう医療者の認識を高めていく必要があり,術後疼痛管理に関する組織的な基準整備とともに,多職種チームによる情報共有や検討機会の拡充,医療者への術後疼痛管理に関する教育体制の確立が急務である.
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© 2014 日本クリティカルケア看護学会
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